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株式会社FJコンポジット

企業データ

企業名 株式会社FJコンポジット
所在地

本社・第1工場・第2工場・第3工場 北海道千歳市柏台南2丁目2-3

アメリカ支社 9655 Granite Ridge Drive, Suite 200 SanDiego, CA, 92123, USA

資本金 3000万円
設立 2002年2月
代表者 代表取締役 津島 栄樹
事業内容 複合材料による電子材料の製造

マーケットは世界。
世界標準の技術で、
脱炭素社会の実現に貢献する。

話し手株式会社FJコンポジット 技術開発部チームリーダー 田邉大地

聞き手ノーステック財団 ビジネスソリューション支援部副部長 黒澤辰憲

黒澤

御社の業務内容をご紹介ください。

田辺

弊社は「コンポジット」と社名にあるように、あるものとあるものを組み合わせて、脱炭素社会に向けた新しい素材を開発している会社です。わたしはカーボン材料と異種の材料を複合させ、世界標準で戦える新しい材料を研究・開発する部門に所属しています。

黒澤

いま開発されている素材について教えてください。

田辺

われわれのチームでは、カーボンセパレータというカーボン材料を複合させた板材を開発しています。これはクリーンエネルギ―として注目される燃料電池に使用される部品で、電池のなかでも主要なキーパーツです。チームではいま、これを「量産化」するための技術開発に取り組んでいるところです。

黒澤

「量産化」するにあたっての課題をお聞かせください。

田辺

実際の量産化までにはいくつもの高いハードルがあります。まずは量産するための装置の導入。装置を導入するためには、大きな資金が必要です。また他にもさまざまな開発資金が必要となり、そういう部分においてノーステック財団に支援をいただきました。

黒澤

装置の導入も含め、研究開発から量産化に向けての試作開発までを「一貫したプロジェクト」としてサポートをさせていただきましたね。

田辺

はい、3ヶ年のご支援をいただきました。カーボンセパレータというのは電気を通す板状のプラスチックです。これにいろいろな割合でカーボンを配合し、電池の素材として最適な部材に仕上げることが1年目のテーマでした。2年目の開発テーマは仕上げた部材をプレス機で板材にし、試作レベルの数量で作っていく。3年目は過去2年間の知見をもとに、全自動のロボット装置で量産化を図ることをテーマにプロジェクトを進めていきました。
また、ノーステック財団が主催されたロボット化やDX化の研修に参加させていただきました。当時これらの知識はなかったのですが、研修に参加することで、量産化に向けてロボットにどういう装置を入れていけばよいか、学ばせてもらいました。

黒澤

ほかに役立った支援があれば教えてください。

田辺

工業試験場(北海道道立総合研究機構)を紹介いただいたことです。実際の素材の物性を計測してもらいましたが、これは材料開発において非常に役立ちました。自社で材料の物性を計測するは難しく、外部機関に頼むと非常に高い計測費を請求されます。工業試験場の場合、リーズナブルな計測コストと加えてフィードバックが早い。その日のうちに結果が分かります。開発チームとしてもすぐに結果が分かるということは、次のアプローチを早めにとれるので、材料開発においてはかなり役に立ちました。

黒澤

今回のプロジェクトは大学の先生たちとも一緒にすすめました。そのあたりのご意見や感想は?

田辺

技術開発チームは社内での研究が多く、小さなコミュニティなので外部からの声があまり届かない。そこで今回、ノーステック財団の補助金をつかって研究を進めるにあたりマッチングいただいた北海道大学の先生と室蘭工業大学の先生たちの意見が、非常に参考になりました。

黒澤

産学連携の推進はノーステック財団の事業の大きな柱ですが、今回のプロジェクトでは定期的に会議体をひらくことで進捗を確認し、進み具合を共有できたというのは、御社にとってもプラスだったのかなと思います。

田辺

そうですね。ときには厳しい意見もいただきましたし、有益なお話しもいただきました。それらが実際の製品の物性として顕れていると思います。機械工学はじめ、さまざまな分野の知識や引き出しをもっている先生のご意見を、カーボンセパレータの材料開発に活かせました。

黒澤

開発を進めていくなかで、問い合わせや引き合いは増えましたか?

田辺

支援いただいた1年目にある程度確定した材料でセパレータ材を作って取引先へもっていくと、かならず電池のテストサンプルとして採用いただき、物性評価が良いと、各社からお声がかかるようになりました。最近ではアメリカはじめ中国やヨーロッパなど世界中から自社の電池の材料として使ってみたいという声が多くあげられています。

黒澤

言葉では「支援」といっていますが、実際にはその企業のごく一部の支援でしかないと自覚しています。われわれは、企業の抱える課題や悩みをひとつでも解決できるように、これからもサポートしていきたいと思っています。

田辺

中小企業、とくに開発チームは資金的な理由で開発の制限がかかることが多いです。こんな実験をしたいと思っても、お金がかかるので断念する。その結果、開発自体の視野を狭くしてしまいがちです。そのようなときには、ノーステック財団のようなところとコラボして資金援助を受け、大きな視点から開発を推進することが大切だと思います。

黒澤

お金が足りない理由は何かをしっかりお聞きし、事業化のプロジェクトとしてきっちりと仕上げることが、ノーステック財団の役割だと思っています。やりたいことをカタチにする、つまりプロジェクトにするところは、われわれも勉強させていただきました。今後ともよろしくお願いします。

編集後記
黒澤辰憲

FJコンポジットさんはノーステック財団が知る前からすでに「オンリーワンのモノづくり企業になるんだ」「自分たちの技術を世界に売っていくんだ」という意識が非常に強かった企業さんです。創業当初から脱炭素社会に向けた製品開発を追求されており、時代が今ようやく追いついてきたという状況。おつきあいを深めるうちに工場が増えていく、設備も増えていく。そういった成長していく姿が目にみえる企業さんであるため、財団としても支援のしがいがあり、全力でサポートしていきたいなと思わせる企業さんでした。

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