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療育施設に通園する重症心身障害児と家族への支援に関する研究
草薙 美穂[北海道医療大学看護福祉学部/助手]
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背景・目的
わが国では少子化社会が到来し、子育て支援は社会全体で取り組むべき課題となっている。また一方では、ノーマライゼーション理念の普及や医療技術の進歩などにより、地域で生活する重症心身障害児が増えている。寒冷・広域な地域的特徴を持つ北海道で障害児とその家族がおかれている状況は、地域間格差や施設間格差などが依然残されており、その充実が求められるところである。
本研究では、重症心身障害児と家族の個別のニーズに合わせた育児支援と看護援助に関する資料を得ることを目的とした。
内容・方法
対象者は、承諾の得られた札幌市の重症心身障害児(者)施設1施設および肢体不自由児施設1施設に勤務する看護職者であった。調査用具は質問紙と聞き取り調査ガイドであり、既存の調査研究で行った項目などを参考に、研究者が作成した。これらを用いて、対象者に質問紙の配布と、面接を行った。質問紙は、後日郵送または直接回収した。得られた結果は、コンピュータを使って項目別に単純集計し分析、その他のデータは質的検討を主とした内容分析を行った。
なお、本調査の実施にあたっては、対象者の個人情報は研究以外の目的には使用せず、プライバシー秘守の倫理的配慮を行った
結果・成果
1)結果
質問紙調査
有効回答は、重症心身障害児(者)施設64名、肢体不自由児施設6名、計70名であった(回収率94.6%)。回答者は、看護婦57名、看護士13名、年齢は、30歳代が最も多かった。また、看護経験年数の平均は、21.1年、現職場での経験年数の平均は、6.0年であった。
障害児に対して行っている援助の内容としては、「児の健康管理」「処置(医療的ケア)」が多く、家族に対して行っている援助の内容としては、「医療的ケアの援助」「育児相談」が多かった。また、障害児の日常生活で時間を費やしている援助として、「排泄介助」「食事介助」があげられ、いずれも生命維持のために必要不可欠な援助であることが予測された。看護職者が家族から受ける相談内容としては、「児の疾病や障害に関すること」「児の就学に関すること」が多く、障害児とその家族への個別のニーズに合わせた専門的援助が望まれていることが示唆された。
現在行っている援助について改善点があるという回答が、半数以上(68.8%)であった。また、障害児とその家族が地域で生活していくためには、保健・医療・教育・福祉との連携が必要であるが、施設内・外における他職種(医師・リハビリテーション・保健婦・学校など)との連携についても一部スムーズに行われていないという意見があり、より適切な援助を行うため、援助内容を検討することが望まれる。
聞き取り調査
重症心身障害児(者)施設、肢体不自由児施設の看護職の代表者各1名に対し聞き取り調査を実施した。
重症心身障害児とその家族への援助は、継続して行われることが大切であり、その中で信頼関係が築かれること。また、看護職者個人の専門職としての姿勢が援助への質につながるため、常に自己研鑽が必要であることなど、看護職者の役割期待が大きくなっていることが明らかになった。
2)成果
本調査により、療育施設で実際に行われている看護援助の内容が明らかとなり、重症心身障害児とその家族に対する支援方法が示唆された。
今後の展開
エンゼルプランやノーマライゼーション理念に伴い、今日では各種サービス機関が整備されつつある。しかし、積雪寒冷地・広大な地域である北海道では、家庭を中心とした身近な地域で、日常的かつ継続的サービスの提供は、まだ十分とは言えない。
今後の展望として、療育施設に通園する重症心身障害児とその家族が抱えている生活上の問題・負担に対し、個別のニーズを考慮した適切なサービスを提供していくことは勿論であるが、障害児と家族の一番身近にいる看護職者がコーディネーターとしての役割を開発し、援助していくことが期待される。
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