翼型誘導板を有する新型高性能吹き止め式防雪柵の研究開発 |
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坂本 弘志(北見工業大学機械システム工学科流体工学講座/教授) 村上 正幸(三英鋼業梶^取締役事業部長) 森谷 優(北見工業大学機械システム工学科流体工学講座/助教授) 高井 和紀(北見工業大学機械システム工学科流体工学講座/教務職員) 伊藤 和彦(三英鋼業葛Z術部/技術課長) 五十嵐 裕一(三英鋼業葛Z術部/技師) 小畑 芳弘(北見工業大学機械システム工学科流体工学講座/技官) |
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| 冬期間の道路交通障害の大分部は、吹雪による視程の悪化及び吹溜りによって誘発されている。とくに平成4年の道央自動車道での125台の車両を巻込んだ事故は、吹雪による大事故として、記憶に新しい。その後毎年のように、吹雪による20台、30台の車両の多重衝突事故が多発している。特に本年(平成12年)の冬期間は、道内だけでも数回の多重衝突事故が発生し、各方面からその対策法の確立が強く望まれている。このような実情のもとに本研究開発は、中央分離帯を有する道路幅の広い、高規格道路の吹雪障害を防止するための、新型吹き止め式防雪柵の研究開発を行ったものである。 | |
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本研究開発は、4車線を有する一般国道並びに高速道路を含めた高規格道路を対象とした、冬期間の吹雪障害を防止するための、新型吹き止め式防雪柵の研究開発を行ったものである。具体的には以下に示す研究を遂行し、新型吹き止め式防雪柵を開発した。 @道路内に巻込んでくる高濃度の吹雪を防止するため の吹き止め式防雪柵上部に取付ける翼型誘導板を流体力学的見地に基づいて開発した。 A開発された翼型誘導板を有する吹き止め式防雪柵に関して、水路並びに風洞モデル実験を遂行し、その性能評価を行った。 B開発された吹き止め式防雪柵に関して、実際の雪粒子を用いた飛雪風洞を用いたモデル実験を遂行し、その性能評価を行った。具体的な性能評価は、防雪柵の風上側及び風下側の吹溜りの観測と道路空間の視程の観測結果に基づいて行った。 |
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吹き止め式防雪柵の開発に当たっては、以下に示す基本性能を有するものとした。@防雪柵の風上側で吹雪をブロックし、一定量の吹雪を堆雪する機能を有する。また柵風上側の堆雪高さは、これまでの野外観測結果から1シーズンを通して平均的な値である3m程度を目安とする。A防雪柵の風上側の堆雪が3mを超える場合には、吹雪を柵上部に取付けた翼誘導板によって道路風下側に吹払う機能を有する。B翼型誘導板によって柵風下側に吹払われた吹雪は、できる限り高い空間を通過させる機能を有する。C防雪柵風上側の道路を含む空間の視程を幅30m(除雪領域、歩道並びに4車線の合計幅)程度を確保できる機能を有する。D防雪柵を構成する翼型誘導板は堆雪のよって埋没することなく、常に柵の機能を保持できる。 以上の基本性能のもとに吹き止め式防雪柵として9パターンの形状のものを考案した。すなわちType-A,B及びCは、翼型誘導板によって吹払われた吹雪をより高い空間位置を通過させることを目的としたもので、吹き止め部高さhを2.8mと一定とし、翼型誘導板の翼弦角度βを3通りに変化させたものである。Type-D,E及びFは、柵風上側の堆雪量を増大させることを目的としたもので、翼誘導板の翼弦角度を一定とし、翼型誘導板の高さ及び吹き止め部の高さを変化させたものである。さらにType-G及びHは、翼型誘導板に沿う流れを加速し、吹雪をより柵後方に吹払うことを目的としたもので、デフレクター(偏向板)を有するものである。開発に当たっては、飛雪風洞実験を中心にモデル実験を遂行し、上述した5つの基本性能をできる限り満たすところの高性能吹き止め式防雪柵を見出した。本研究開発で得られた結果及び成果を要約すると以下に示すものとなる。 @飛雪風洞モデル実験に基づいて柵風上側の堆雪状況の評価を行った。その結果、柵風上側の堆雪高さは垂直部である吹き止め部高さhに依存することがわかった。 A柵上部の翼型誘導板の翼弦角βが大きくなるに従って柵風上側の堆雪高さは若干増大するが、翼弦角による顕著な差異は生じない。 Bデフレクターを有する防雪柵において、デフレクターを取付けることによって、逆に柵風上側の堆雪高さを増大させる。 C柵風上側に傾斜させた忍び返しを有する従来型吹き止め柵は、大規模な吹雪が発生した場合は、堆雪によって柵全体が埋没し、柵機能が全くなくなる。 D柵の吹き止め部高さhを変化させた場合の道路空間の吹雪濃度は、吹き止め部高さが4mを超えると柵風上部の堆雪高さが大きくなるために道路空間の視程の悪化が生じやすい。その結果柵高Hを5.5mとした場合吹き止め部高さ3.0〜3.5mのものが道路の視程を確保する上で最適となる。 E翼型誘導板の翼弦角度が70°において、最も高い吹き払い効果が生じ、道路空間の吹雪濃度の低減効果を生み出す。 F翼型誘導板にデフレクターを有する場合は、逆に道路への吹雪の巻込みを生じさせ、視程を悪化させる。 G従来型吹き止め式防雪柵は、大規模な吹雪発生時には柵風上側が堆雪によって埋没し、高濃度の吹雪は道路全体に巻込むために視程は全く確保されない。 H柵高5.5mとした場合、吹き止め部高さ3m、翼型誘導板の翼弦角β=70°の開発柵は、大規模吹雪が発生しても、柵性能を十分に保持し、吹雪障害をほぼ阻止できる。 |
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| 従来柵を埋没させる大規模な吹雪が発生する場合には、本研究で開発した吹き止めと吹払いの両機能を有する防雪柵は、風洞モデル実験の段階で極めてすぐれた性能を有することがわかった。今後は実用化を目途とし、防雪柵設計上必要な各種空力特性値の評価と実物柵モデルにおける野外観測実験を遂行し、その性能の検証を行う必要がある。なお実物柵モデルはすでに試作し、設置されているが本研究期間中は、吹雪の発生もなく、十分な観測データが得られなかった。今後継続して野外観測によるデータを採取する予定である。 |
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