通電型コールドスタート触媒の開発 |
| 小林 淳哉( 函館工業高等専門学校物質工学科/講師) |
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| エンジン始動時の触媒層が十分に加熱されていない時期(コールドスタート)には、高濃度のNOXやCO、有機物質が排出されるという問題がある。そこで触媒に通電し、ジュール熱で実用温度まで昇温する「通電触媒」を調製し、反応性を評価した。導電体としての金属としてはチタンや、アルミニウムよりも電気―熱変換効率のよい合金を用い、この上へのアルミナの担持法を見出すことを目的とした。この担体上に白金を担持し、反応に用いた。 | |
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| アルミニウムイオンを含む溶液中で、チタンワイヤーを陽極として電解し、アルミナの形成を試みた。合金としては、電気炉の電熱線として用いられているカンタル線を選択した。カンタル線は通電するとこれに含まれる陽イオンが溶出するため、アルミニウムイソプロポキシド水溶液に数回ディッピングしてアルミナの形成を試みた。これらのアルミナ担持金属ワイヤーはPH=5に調製した塩化白金酸水溶液に浸漬して白金を担持し、反応前に400℃で水素還元して反応に用いた。反応性は逆水性ガスシフト反応(CO2+H2 → CO + H2O)により評価した。また触媒のキャラクラリゼーションはSEMおよびEPMAで行なった。 | |
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金属あるいは合金へのアルミナの担持方法の影響と表面観察の結果、および諸物性、反応性に関して得られた結果を以下に報告する。 1)金属あるいは合金上へのアルミナの担持方法 チタンワイヤーを陽極として80℃のアルミニウムイソプロポキシド水溶液中で60Vの印加電圧で陽極電解したところ、ワイヤー表面に厚さ約10μmのアルミニウムの酸化物層が形成していることが確認できた。EPMAによる表面観察の結果、この酸化物層はアルミナかチタンの一部がアルミニウムと置換した複合酸化物層であると思われる。 カンタルワイヤーをアルミニウムイソプロポキシド水溶液中で10回ディッピング処理したところ、ワイヤー上へのアルミナの形成が確認できた。しかしこのアルミナは比較的容易にはく離する。 2)通電特性 チタンワイヤー、カンタルワイヤー、およびシュウ酸溶液中でアルミニウムを陽極としてアルミナを形成させたアルミニウムワイヤー(陽極酸化法)に関し、電流とワイヤー表面温度の関係を調べたところ、カンタルワイヤーが最も電気-熱変換効率が高く、ついでチタンワイヤー>アルミニウムワイヤーの順になった。これはより少ないエネルギーで目的温度にするためには、合金ワイヤーが最も適していることを意味する。 3)反応性試験 各ワイヤーとも360℃まで約10秒、逆水性ガスシフト反応の反応温度である400℃までは約2分で昇温した。使用したワイヤー表面積当たりの反応性はチタンワイヤ>カンタルワイヤー>アルミニウムワイヤーの順になった。反応性に差が生じた原因は、各ワイヤー上に生成したアルミナの表面積が関係していると考えている。白金を担持しない場合に反応は進まないことから、反応の活性種は白金である。この白金の担持量はアルミナの比表面積にある程度比例するであろう。各ワイヤーでアルミナの形成方法が異なるため、結果として白金の担持量に差があると推定している。現在のところ表面に形成したアルミナの比表面積を測定しておらず、また白金の担持量は例えばICPにより測定する必要があるが、現在のところ行なっていない。 |
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| 合金ワイヤーは最も電気―熱の変換効率が高い。しかしアルミナがはく離することが問題である。CVD法で金属上にチタニアを形成させることは報告されている。この方法を改良してアルミナに適用を試みている。これによりはく離しにくいアルミナの形成が可能になる。また膜厚もコントロールできるようになる。この結果実用化につながるものと期待できる。 |
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