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レーザー距離計測システムの普及が進んでおり、機械部品などの3次元立体形状をもつ対象物に対する、位置・姿勢の計測・認識・制御などの諸技術の実用化研究が大きく期待されてきている。ランドマークなどの指標をもつ対象物を含んで、そのような指標のない、いわゆる通常物体にも適用を拡大することは大きな効果をもつ。これらの技術開発は、物流(農業・水産業を含む)産業におけるハンドリング作業の自動化などに大きな効果をもつ。
本研究の目的は次のとおりである。無指標の立体組立部品の種別や位置・姿勢などの複合情報を、スリット光切断法(3次元)と明度画像計測(2次元)を相補的に利用して計測する手法を開発する。特に従来の2次元画像計測のみでは対処困難な対象(印刷済部品或いは3次元機械部品等)を扱うため、回転、重なり、遮蔽などの課題を解決する。
(1)アスペクト画像に基づく3次元物体の認識法の研究
レーザー距離測定による点データ群が表現する対象物の識別を行うための手法を開発する。対象物は無指標であることより、特殊なランドマークではなく、曲率変化に依存する一般形状の定義を設ける。それに対応する特徴点検出アルゴリズムも必要となる。得られた特徴点を基点として相対座標系を個々に定義し、対応するアスペクト画像を生成・登録しておく。識別のためのアスペクト画像と登録データを2次元画像照合することによって、種別や姿勢などの認識を行う。
(2)増分符号相関に基づくロバストパタン照合の研究
高ノイズ、照明不良、遮蔽などの不良条件下であっても、登録物体の識別を可能とするために、増分符号相関という新しい照合評価量を提案する。これはパタン(点群でも画像でもよい)の定形走査に従う符号照合を基本とする統計量である。このパタン照合技術は濃淡画像だけでなく、距離データにも適用可能であり、上記の手法と併せて大きな効果が期待できる。
(1)アスペクト画像に基づく3次元物体の認識法の研究
レーザー距離測定器(レンジファインダ,分離能50μm)、パーソナルワークステーション(Pentium
2,200MHz)によるプロトタイプシステムを試作した。アスペクト画像照合においては正規化相関を用いた。5種類の市販の立体的なお面を登録対象物として選択し、レーザー距離測定によってそれらの表面形状を奥行き点群データとして測定した。それらの距離画像から生成したアスペクト画像は14,628枚であった。認識対象物として、登録対象物と同じお面を用いた。それらを異なる位置・姿勢および視野において、かつ遮蔽が存在する不良条件下で測定し、識別可能かどうかの基礎実験を行った。平均約0.99の照合度合で識別に成功し、計算時間は1物体あたり約40秒であった。
以上基本的実験の結果、アスペクト画像による3次元物体の認識法の有効性を確認した。
(2)増分符号相関に基づくロバストパタン照合の研究
テンプレート画像照合実験を行うためのプロトタイプシステムを試作した。不良条件下における多くの濃淡画像を用いてテンプレート照合実験を行った。比較のため、正規化相関および残差2乗和による照合プログラムを作成した。まず、照明不良における明度変化画像の照合においては、増分符号相関は大きな変化量(明度値)の場合にも照合可能であった。正規化相関はよく照合したが、残差2乗和は失敗が目立った。次に遮蔽の場合においては、増分符号相関は30〜40%の遮蔽率(面積)の画像においても照合可能であった。他の2方法は遮蔽に対しては殆どの場合において別の位置で誤認識を起こした。明度値への付加ノイズの場合には、残差2乗和は良くなかったが、増分符号相関および正規化相関は大きなノイズの場合でも正認識が可能であった。
以上基本的実験の結果、増分符号相関の有効性を確認した。
・アスペクト画像の照合法として、増分符号相関を用いて、そのロバスト性の効果を確認する。
・増分符号相関のハードウェアによる実装を行い高速画像照合を実現する。
・上記両者を組み合わせることによって3次元立体の高速認識システムを実現する。
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