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サッカロミセス酵母は、大腸菌や動物細胞にはない高い遺伝子相同組み換え能、およびコロニー色が白から赤に変化するという優れた指標性を有している。酵母アッセイ法はこのような特性を持つ酵母を“生きた試験管”として利用する画期的なバイオアッセイ法である。我々は酵母アッセイによるp53遺伝子変異の検出率が従来の方法より1.5〜2倍も高くしかも簡便であることを示した。本研究では、我々のもつ酵母のバイオテクノロジーをもとに、その特性を生かした汎用性の高い新しい遺伝子解析法の開発を行う。
1)発癌剤が生体内で癌抑制遺伝子p53にどのような変異を引き起こすかを調べるラットp53yeastfunctionalassayを完成させた(Int.Natl.J.Cancer印刷中)。BBNとDMBAという発癌機序の異なる2種類の発癌物質を作用させると明確にp53変異パターンの違いが検出された。
2)野生型p53と変異型p53を同一酵母内で発現させどちらの形質が優勢になるかを酵母の色彩で判定するyeastp53dominaceassayを完成させた(CancerRes.印刷中)。この研究によってp53変異のうち優勢阻害性変異をもつ症例は、脳腫瘍の一つである悪性膠芽腫において有意に若年発症(30歳対52歳)することが証明された。
3)全長8.5kbのcDNAからなるAPCの変異を手術材料、バイオプシー材料で検出できるAPCyeastcolorassayを完成させた(Oncogeneに投稿中)。これまでヒト乳癌にはほとんどAPC変異は無いと考えられていたが、このアッセイ法により乳癌症例の18%にAPCの変異が証明された。しかも、大腸癌と異なり進行癌で変異が見い出された。
我々は出芽酵母を用いて癌抑制遺伝子の遺伝子診断法の開発とcDNAクローニングを行い以下の成果を得た。
1)発癌剤が生体内で癌抑制遺伝子p53にどのような変異を引き起こすかを調べるラットp53yeastfunctionalassayを完成させた(発表論文1)。BBNとDMBAという発癌機序の異なる2種類の発癌物質を作用させると明確なp53変異パターンの違いが見られた。これによりp53遺伝子の変異パターンの違いから発癌物質の推定を行うことが可能となった。
2)野生型p53と変異型p53を同一酵母内で発現させどちらの形質が優勢になるかを酵母の色彩で判定するyeastp53dominaceassayを完成させた(発表論文2)。この研究によってp53変異のうち優勢阻害性変異をもつ症例は、脳腫瘍の一つである悪性膠芽腫において有意に若年発症(30歳対52歳)することが証明された。
3)全長8.5kbのcDNAからなるAPCの変異を手術材料、バイオプシー材料で検出できるAPCyeastcolorassayを完成させた(Oncogeneに投稿中)。これまでヒト乳癌にはほとんどAPC変異は無いと考えられていたが、このアッセイ法により乳癌症例の18%にAPCの変異が証明された。しかも、大腸癌と異なり進行癌で変異が見い出された。
4)小児のX連鎖自己免疫性大腸炎の自己抗原(AIE-75)のcDNAクローニングに成功した。AIE-75に対する自己抗体は大腸がん患者の約20%に出現することが明らかになった。AIE-75は3個のPDZドメインを持つ蛋白でWnt/Winglesspathwayと一部交差する遺伝子ネットワークを形成していることが明らかになりつつある(発表論文3)。さらにyeasttwo-hybridsystemを用いてAIE-75と結合する蛋白のcDNAクローニングに成功した。ところ、その断面を境に上盤が更に大きくずれ、地表面の変形を引き起こしているのが観察された。
酵母を用いた遺伝子診断法は従来の方法に比べ高感度であることからさまざまな遺伝子変異の診断に応用可能で、今後さらに巧妙なアッセイ法として発展すると考えられる。酵母の持つ高い相同遺伝子組み換え能は、酵母細胞とほ乳類細胞との融合細胞における遺伝子組み換えに利用できることから、ほ乳類細胞の特定の遺伝子を破壊してその遺伝子機能を調べることにも応用できる。我々は現在この酵母細胞−ほ乳類細胞のハイブリッド細胞の作製研究を進めている。
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